マヤのラカンドン族 その1

ラカンドン
ラカンドン族はまさに今日生きる純粋なマヤの子孫たちです。彼らはメキシコとグアテマラの国境付近の密林に住んでいる原住民たちです。

私は20年近く前に古代マヤのあの有名なパカルヴォタン王のピラミッドがあるユカタン半島のパレンケを訪れました。訪れた理由は、民族植物学会に出席するためでした。パレンケの遺跡近くにある広大なホテルロッジで一週間開催されました。


パレンケの遺跡にあるパカルヴォタンの石棺の蓋

講義をされた先生たちは、アルバート・ホフマン博士テレンス・マッケナアレクサンダー・シュルギン博士、ポール・スタメッツ、クリスチャン・ラッチ博士といった蒼然たるメンバーでした。午前中は、各種民族植物の化学の講義で、午後はパレンケの遺跡で授業がありました。

ある午後クリスチャン・ラッチ博士は、参加者全員をパレンケの遺跡に案内しました。すると遺跡のある場所に真っ黒な長髪で白い衣を着た原住民の人たちが観 光客たちに彼らが作った土器の人形やマヤの香を売っていました。ラッチ博士は、原住民たちととても懐かしそうに挨拶を交わしていました。彼らがラカンドン 族で、今もジャングルの中に数百人の集落を成して暮らしています。

ラカンドン族の暮らしは、今は昔とでは随分変わったようですが、完全に変化する前にラッチ博士は、三年間彼らと一緒に森の中で暮らした経験があります。

ハンブルグ大学人類学学部の教授であるクリスチャン・ラッチ博士は、アルバート・ホフマン博士の愛弟子でした。彼がラカンドン族とジャングルの中で狩猟生 活を三年間も続けていたことを、とても興味深く思ったので、彼にインタビューをして、ラカンドン族の呪術や預言などもたくさん教わった話などを聞かせても らいました。ラッチ博士は日本にも何度も来られています。その理由をお聞きすると、フグの毒を研究するためだそうです。

「フグの毒でぎりぎり寸前まで何度も行ったよ! 最高さ」

世の中にはかなり変わった人もいるんですね。

中でも印象的だった話は、彼らの集落のど真ん中には「神の家」とよばれる神社のような場所があるのですが、彼らはカヌーのような舟に自然に生えている植物 や ガマガエルを入れて、おまけに自分たちのツバをその中にいっぱい吐いて、発酵させ、ビールのようなものを作り、その「神の家」(Yaxchilan)で何 日も酔っ払う儀式が繰り広げられることです。その神の家には、宇宙の創造主Hachakyumが住んでいると彼らは信じています。男性だけがその神の家で かなりぐてぐてになるまで酔う儀式です。その間に「バルチェ」と呼ばれる松脂のようなものを香として焚き続けます。

クリスチャン・ラッチはマヤ語を勉強した後、ジャングルに歩いて三日間かけて入っていき、やっと彼らの村に着きました。

最初に彼らから習ったことは何か?

それはオウム鳥を矢で射落とすことでした。それをしなければ夕飯にありつけないことをまず、最初に彼は学んだといっていました。しかし、ラカンドン族の生 活はラッチ博士がいた頃からすると急速に変わったようです。おみやげ物を売るためにパレンケの遺跡まで彼らは出てくるようになり、今ではトラックや電化製 品もある暮らしとなりました。

森が消えていく時、世界の終わりが来るという言葉でスタートする古代の預言をHABOと呼ばれる人々が彼らに残しています。

※ クリスチャン・ラッチ博士へのインタビューは次回掲載する予定です。

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